――あぁ、やっちゃったな。
   もう少し、桜も大人にならなきゃなぁ・・・。――

 バサッ、バサッ~♪

 どんどん桜に球が当たる。

 仕方なく、桜も投げるのだが、なんだか後味が悪い。

「桜ちゃん、もっとやってよ。」

 横田 麗羅(ヨコタ ウララ)の声で、桜は少し我に返った気がした。

 麗羅の言いたいことは分かっているのだが、やはりやる気がない。

 ふと時計を見た。

 終わってほしいっと願ったのか。


――あっ、もう出発しなきゃ。
   やった、これで・・・。――

 バサッ~♪

「桜、昔だったらもっとやってたのに。」

 海翔の球で喜びが飛んでしまった。
 だけど、チャンスだととらえていた。