マネージャーがタオルを渡してくれて、俺は滝のような汗を拭った。 「とうとう終わりですね、KEIJIさん」 「ああ、ほんとにありがとう」 涙を浮かべるスタッフたちを見て、自然に笑みがこぼれた。 「お客さんがハケたら舞台に全スタッフ集めるから、最後に挨拶を…あ、ちょっと待って、MEGU!」 ステージディレクターの窪田さんが、俺の後ろに向かって手を伸ばした。 振り向くと、ベースのMEGUが楽器を抱えていた。