―…卒園間近になって、あの子は突然、お芝居をしたいと言い出した。 きっと劇でお姫様を演じたのが楽しかったのね。 ママ友達に話したら、みんな口を揃えて、あの子ならやれると言ってくれたわ。 それで旦那と相談して、あの子を劇団に入れることにしたの。 難関だと聞いたけど一発で合格してね、だから私、この子はそういう星の下に生まれたんだなんて思って、とても誇らしかった。 そして、2年前の夏…あの日も私は、娘の手を引いてレッスンに向かった。