「何になさいますか?」
「ブラッディマリーを」
「かしこまりました」
カウンターの女バーテンダーは、ゆっくりと言葉を発し、上品に微笑んだ。
彼女の向こうでは、背の高い男がシェーカーを振っている。
誰のカクテルだろうか…―
カウンター席には、俺しか座っていない。
さりげなく後ろを振り向いてみると、いちばん奥のテーブル席に、ひとりの客が俺に背を向けて座っていた。
暗くて初めは気づかなかったが、ぼんやりしたシルエットを見る限り、どうやら女性のようだった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…