ぐっと力を入れて扉を押し、慌てて体を滑り込ませると、 「いらっしゃいませ」 という柔らかい女性の声が迎えてくれた。 「あ…こんばんは」 3人組の誰かが、よほどの思いがないと入れないと言っていたから、すんなり入れたことに驚いた。 「どうぞ」 声の主は、入口を入って左側、奥に長く続くカウンターの中にいる女性だった。 俺は促されるままにカウンター席に腰を下ろし、店内を見回した。