俯く俺の目の前に、水の入ったグラスが置かれた。 「でもあなたは、自分で気づいたではありませんか」 顔を上げると、男性のバーテンダーが俺をまっすぐに見ていた。 カウンターの向こうで、女性も力強く頷いた。 「自分の愚かさを認めることは、勇気がいるものです」 「そうですわ、認めたくなくて逃げ出す人だってたくさんいるのに、立派ですわよ」 突然何を言い出すのかと思えば。