Bar GRANT




《これがほんとに、ラストの曲だー!》



観客の盛り上がりは、最高潮だった。



歌い狂っていたそのときの俺も、もちろん同じ気持ちだった。



たしかこのとき…―







『いやぁ~!!!!』







そう、この声だ。



最前列の女の子が、ものすごい顔で泣きながら、声を枯らしていた。