「もう最後までご覧になりましたか」 「まだ序盤で…」 テレビやDVDプレイヤーの電源を消して来たかも思い出せないほど、衝動的にここに来てしまった。 「では今ここで、ご覧になりますか?」 「ここで?」 「それがよろしいわ、どうぞこちらの席へ」 いつの間にか俺の後ろに女性が立っていて、反対側の壁にあるソファ席の、いちばん奥に案内した。