「いてっ…」 「こちらへ」 俺は、半ば強制的に長いカウンターのいちばん奥の席に座らされた。 そこでようやく彼が手を離し、 「失礼しました」 と頭を下げた。 物静かな見た目とは裏腹の、丁寧とは言いがたい扱いと腕の力に、さすがに目が覚めた。