すぐに止むと思っていた雪は、予想に反して強くなる一方だった。 窓の外を歩く人々は皆、背中を丸め早足で通り過ぎて行く。 「傘、持ってくりゃ良かったなぁ」 と独り言が口をついたとき、カフェのドアが開いた。 「さっむーい!」 「顔、超冷たいんだけど」 「やっば、マジ震えるし。マジ無理」 静かだった店内に響き渡る、若い声。 「お好きな席にどうぞ」 と促されると、彼女たちは俺がいる4人席ゾーンへ来た。