上着のポケットから携帯を取り出すと、けたたましい音とランプが、たしかに着信を伝えていた。 いつ、着信音変えたっけ…? 首をひねってみても、思い出せない。 「すいません、でかい音で」 「ほかにお客様もいらっしゃらないので、お気になさらずにどうぞ」 彼女はそう言って、バーの奥に消えて行った。 あわてて携帯を開くと、マネージャーの名前が表示されていた。