「誰にでも、多かれ少なかれ、そういう時期ってありますわ」 それはそうかもしれない、でも…― 「でも俺は、信じていた人たちに裏切られた」 俺はいつの間にか、バーテンダーの女性に愚痴をこぼしていた。 「ひどいと思わないか、ここまで一緒にやってきたのに、解散になった途端あんな…」 「あら、やっぱり不仲だったんですのね」 彼女は少し興味ありげな様子を見せた。