「そ、それにしても、こんな昼間に営業しているバーなんて珍しいですね」 俺はムリヤリ話を逸らそうと、別の話題を振った。 「場合によっては、朝から開けていることもありますわ」 「場合に…?」 「いずれ、おわかりいただけると思います。お客さまとは、これきりではないという気がしますの」 意味ありげな言い方が気になった。 「俺、こんな格好してるけど、金持ちでも何でもないですよ」