そもそも薄暗い照明のせいで、たいての女性は実物よりも美しく見えるものだ。



それを含めて見ても、やっぱり彼女は美しいと思う。



そんなことを考えながら入口に突っ立ったままの俺に、



「どうかなさいました?」



とバーテンダーが怪訝な顔をした。



「あ、いえ…今、ここから女の子たちが出て来るのを見たから、昼間なのに珍しいなって…」



大げさな身振りを交えてそう言うと、バーテンダーはやさしく微笑んだ。