「あっ!!杏帰ってきたー!!」


玲花が卵焼きを頬張りながら笑ってる。


「あ…れ?杏?顔…真っ赤だよ…?」


帆乃香があたしの顔を覗き込む。


「さては…、好きな人できたなーっ♪!?」


愛梨は興味津々。


違うよみんな…。


そんなんじゃないってば…。


「違うっ…!!そんな…好きとかそんなんじゃない…。」


あれ…?


声震えてる…?


「あのねっ…。」


帆乃香たちも息をのむ。


「な、名前聞かれたっ…!!」


………………。


あれ…。


何この間…。


帆乃香たちなんか期待して損したみたいな顔してる…。


フツーさ、ここ、喜んでくれるとこじゃないの?


「あれ…、みんなどうしたの…?」


「や…、杏のことだからもっとスゴい話だと思ったからさ…。」と愛梨。


「付き合い始めた、とかね…?」と玲花。


「で?誰に聞かれたの?」と帆乃香。


んもぅ!!


もうちょっといい反応してくれたっていいじゃん!!




「………と……。」




「ん?」


みんなが不思議そうにあたしを見る。




「…風戸くんっ!!




風戸くんに聞かれたっ…!!」