コスモス



「…須川、早く着替えてこい」

ヒロミが僕の肩にタオルをかける。


「乗せていってやるから」


視界が、うっすらと歪む。
僕は下唇を噛み締めて走り出した。

周りにはいつからいたのか、生徒達が集まっていた。
僕は人の波をかきわけて更衣室へと走る。

途中、カズ達が僕の名前を呼ぶのが聞こえたが、答えてる余裕は僕にはなかった。










…ヒロミの車が、病院の前に止まる。

完全に止まりきっていない車のドアを勢いよく開けた。
転びそうになりながらも、院内へと向かう。

自動ドアを無理やりこじ開けて、受付へと走った。

「今っ、今運ばれた女の子は…っ」
「須川君っ!」

振り向くと、そこにミキがいた。

赤く腫れた目と、僕の目があう。

履き替えるのを忘れていたのだろう、その足元は、学校のスリッパのままだった。


…自動ドアの開く音とともに、一緒に乗ってきたカズ達が駆け込んでくるのがわかった。