「で、君はどうして理系大学を希望してるの?」
相変わらず、村沢との関係は平行線のまま。
そんなある日、私は進路指導室にいた。
目の前には担任。
そう。
今日は、進路についての2者面談の日だ。
「え…っと、」
私は文系特進クラスの生徒。
当然文系の大学に進学するものと、担任は思っていたみたい。
私だってそうだった。
…つい最近までは。
「私は、生物を……勉強したいんです。」
でもいつからか、私は生物の奥深さに興味を持っていた。
大学に行くなら、興味のあることをとことん学びたい。
そう思った私は今までの進路を変え、本格的に理系への道を目指していた。
きっと……
『あいつ』の影響。
「う〜ん……無理とは言わないけど、今から類型変更は出来ないし、独学ってことになるよ?受験科目は生物だけじゃなくて、数学とか化学とか物理辺りになる訳だし……」