そっ……か。
村沢も……
片思い中なんだ。
きっとその相手は、私みたいなのじゃなくて、素直で可愛い人なんだろうな─
だって、この学校の先生の中でも1・2を争うイケメンと言われている村沢を射止めちゃうんだもん……
相当だよ。
それに、村沢は顔だけじゃない。
性格もまぁまぁいい。
優しいし、いざってなったら頼れるし、でもちょっと変なところはあるけど……
あ──
私…いつの間にか村沢のこと、こんな風に思うようになってたんだ。
今気付いたよ……
「アンタにわかってもらっても、全然嬉しくない。」
でも…
心のどこかでは、最初からわかってたんだ。
これは…
叶わない恋なんだ。
何をしようが、どう足掻こうが、絶対に叶わない。
わかってた。
けど……悲しい。
実際に好きな人の口から『今片思いしてる』なんて聞いたら、もうダメだよ……
私は精一杯の力を振り絞り、いつもの自分を村沢に向かって演じた。