* 外に出ると、また新しい雪が降ったのか、足元がサクサクと軽い音を立てた。 雪山の夜はしんと深くて、 星は、落ちてきそうなくらい近い。 『サラちゃんを選んだのは、トウマくんよ』 さっきのサエさんの一言が耳から離れなかった。 「トウマ…」 針葉樹の森を横に歩きながら、温泉へと向かう。 吐き出した白い息の向こうで、名前も知らない星が、潤むように綺麗に瞬いていた。