「麻由さんノリノリなんだろうな…」

「そうだな」

「青葉くんカワイソ」

「晴香可哀相って思ってないだろ、絶対」

「青葉くん…大丈夫かな…?」

「まあ良いんじゃない?青葉だし」


詩乃さんを除いた全員、誰ひとりとして青葉さんを気にしていなかった

むしろ嬉嬉としているようだ

みんなドッキリ仕掛けられて鬱憤がたまってんだろうな…


「まあ、俺もだけどね」


朝は割と苦手だ

起きれないわけじゃないが、寝起きが悪い

だから晴香さんが俺に言ったことはどちらかと言うと間違い

ただ、咲羅のことになると眠気なんて吹っ飛ぶけどな


「あー、楽しかった楽しかった」

「麻由ちゃん相変わらずノリがいいねぇ」

「だって青葉の慌てる姿!スッゴく可愛いんですもん」

「なるほど、麻由ちゃんは青葉の困った顔が好きなんだね」

「青葉のどんな顔も好きですよ?でもやっぱり、私のことで必死になってる顔が大好きです!」

「ああ、なるほど。それは嬉しいよね」

「はい!」


…あっちが一番嬉嬉としている


「あ、みんなおはよう」


麻由さんがこれ以上ないほどの笑顔だ


「うあ…」


その後ろからトボトボとリビングに入ってくる青葉さん

…すいません、さっきざまあみろとか思ってて

さすがに同情します


…でも、自分のことに必死になってる顔か

咲羅も嬉しかったりするのかな

俺と同じように

そう思うと自然と顔が緩んだ


「あれ?雅翔くん嬉しそうだね。言っとくけど女の子はみんな、嬉しいよ」

「えっ…」


麻由さんを見ると得意げな表情でウインクをされた

…見透かされたみたいで少し恥ずかしい

でも、そっか

それは嬉しいな