ピーピーピー
自分の家と違う目覚まし時計の音
まだ脳が覚醒してないみたいだ
昨日は咲羅の部屋で…
咲羅と二人で…、ベッドに寝たんだったよな…
だから俺の隣には咲羅が…
「起きた?おはよう」
爽やかな声
俺の目の前
眩しいくらいの笑顔
同じベッドに…二人
そこで完全に眠気がとんだ
「…さん、ふ、藤さん…」
なんで、そこまで口が動かない
顔が引き攣る
「どうしているか知りたい?いや、それより咲羅の場所知りたいかな?」
相変わらずの黒い笑顔
眠気は覚めても思考は思うように回らない
学年一位、次期社長そんな俺でもどうしようもないくらい頭が回らない
「あ、あの…。今何時ですか?」
「午前6時5分」
落ち着きを取り戻せない俺と余裕釈釈の藤さん
午前6時?ってことは朝か?
藤さんはとっくに起きていたみたいだから咲羅だけを起こして入れ替わるのは簡単だろうな…
いや、もしかして俺が遅起きなだけか?
中野家は全員早起きでみんな起きてるけど俺だけ起きてなくて藤さんが起こしにきた…?
うーん
いろいろ可能性はあるけど…
とりあえず後者の場合だったら俺は早く着替えなきゃいけないな…
「あー、そんな考え込まなくていいよ。大した理由とかはないから」
手をヒラヒラとふりながら笑った
「ただ咲羅との仲を裂けないかなと思ってさ」

