学校の王子様!!②







「篠田って奴にあんまり近づくなよ」

「なんで?いい人だよ」

「明らかにお前に好意持ってんだろ」

「好意…?確かに嫌われてはないかもしれないけど」

「いやいやいや、いい加減自覚持って。ついでに警戒心も持って」


意味がわからないといいたげに首を傾げる

これだから咲羅は…


「高校では生徒会入ってないよな?」

「うん。篠田くんは入ってるけど」

「篠田のことはいい。入る気はないのか?」

「ないない。別に生徒会長って役職に未練とかないし」

「ふーん。じゃあなんで中学ではやってたんだ?」

「担任、学年主任、生活指導、その他もろもろの先生からの推薦」

「なるほどな、納得」


咲羅ならありえないこともない

嫌々ながらもしっかり仕事やってたんだろうな…


「雅翔は生徒会長とかしなかったの?してそうなのに」

「俺は家のことあったしな」

「ああ、そっか。雅翔は将来のために仕事しなきゃだしな」

「まあな…。将来って、咲羅はなんか夢とかしたいことあるのか?」

「………ないかな」


なんだ…今の間は

本当はやりたいことあるじゃないのか


「俺は雅翔といられればそれでいいよ」


咲羅…?

確かに俺も咲羅といられればそれでいい

いいけど…


「どうした」

「何でもないよ?」


強がってる笑顔

何でもないはずない


「言え」

「また命令」

「そうじゃねぇとお前言わねぇだろ」

「…言わなくてもいいことだから言わないだけ」

「言って。咲羅の泣きそうな顔見たくない」


唇を少し噛んで俯く咲羅に顔を近付ける


「まさ…っ」

「咲羅」

「ま…さ…っ」


咲羅の名前を呼び

何回も口づける


「い…いう…言うからっ…!」


真っ赤になって俺の肩を押す

唇を離すと諦めたようにうなだれた

拳がとんでこないのは救いだ