コンコン

「咲羅、入るぞ」

ガチャという音とで雅翔が入ってきた事がわかる


「さっきの事、そんなにショックだったのか?」

晴香さんも謝ってたぞと雅翔は付け足した


大したことじゃない
分かってる

晴香さんだって遊びでやった

俺だって分かってる

だけど…だけど…



「咲羅、どうした?」

声とともに手が頭に置かれた


今ので安心した
同時に涙が溢れた


「ふぇ…」


雅翔、雅翔…


「うぅ…うわぁあん」

「咲羅、大丈夫」

「雅翔、雅翔…」

「ん?どうした?」


いつもより優しい声で聞いてくる


「ごめ…ん…な…さい…」


「……え?」


「ごめん…なさい…。雅翔、ごめんなさい…」


「なんで?咲羅、何もしてねぇよ?」


抱きしめて背中をさすってくれた



「だっ…て…、まさ…とを裏切ったような…気が…してっ…」

これがもし晴香さんじゃなかったら?
別の《男》だったら?
知らなかったで許されない


「咲羅、もう泣くな。裏切ってなんかねぇよ。大丈夫」


「うん…うん…」



雅翔…雅翔…

ありがとう…
大好き