「君は噂通りの人だ」


「「噂?」」


俺だけでなく咲羅までもが聞き返した


「うん、噂」


「どんな!?」


咲羅が身を乗り出しながら尋ねた



「立花(タチバナ)高校の男前だけど女の王子と斎藤財閥の優しい王子が付き合い始めたって噂だよ」



「あ、その噂、私も聞きました!!」


「私も知ってるよー」


「私のとこもその噂で持ち切りだよ」



詩乃さん、晴香さん、麻由さんが続いて言う



「それで咲羅ちゃんが付き合い始めたこと知ったのよ」


「私もでーす」


「晴香さん、麻由さん本当!?」


「本当本当、まさかこんなにイケメンとは思わなかったけどね。まぁ椿には敵わないけど!!」

「たしかにねー咲羅ちゃんとお似合いよー。まぁかっこよさは青葉が1番だけど!!」



サラっとノロケてる



「いやいや、雅翔が1番かっこよくて優しいけどね!」



………嬉しいけど恥ずいし、椿さんと蘭さんと青葉さんの視線が痛い






「で、でもっ!……蘭くんも…優しいし…か、かっこ…いぃ…よ…」







モジモジと手をいじりながら俯いて言った




「し…詩乃…?」



言われたことがないのか蘭さんは顔を真っ赤にしている




「あぁ…恥ずかしぃ…で、でも、本当のことだよ…」


「し、詩乃だって可愛いよ…」


「ら、蘭くん…恥ずかしぃよぉ…」






………初々しいな…





きっとその場にいる全員がそう思っただろう