「晴香さん!!」


「咲羅~」


「お父さん邪魔!!」


蘭のように抱き着いて来ようとした久しぶりに会う父親を華麗にかわす


「麻由さん、晴香さんは?」


「リビングにいるよ」


「はぇ?」


思わず変な声を出してしまった


「だから、リビング」


「あれ?さっき蘭がキッチンにいるって…」


「椿さんが止めてくれたの」


「はぁ…よかったぁ…」


これで明日も生きていける



「咲羅ぁ…」


「あ、お父さん」


忘れてた


「咲羅…なんか相変わらずだな…いや、もっと冷たくなった…」


「あははは…」


思わず引き攣る



「そちらが、雅翔くんだね?」


「あ、うん。そうだよ」


「はじめまして」


おぉ…作り笑いじゃない!



「こちらこそ、はじめまして」



仲良く…なれるかな?




「あの…」


「ん?」


俺より少し低いくらいの身長に、ウェーブがかかった金髪よりの茶髪、そして大きな真っ黒の瞳


「はじめまして、私…蘭くんの…その…」


「蘭の彼女?」


「え!?あ、は…はぃ」


なんだこのチマチマしたフワフワした可愛い生物はぁあああ!!


「ほぇ!?」


俺が抱きしめるとビックリしたように声を出した

その声も可愛すぎだろぉおお!!


「名前は!?」


「え!?あの…結城詩乃(ユウキシノ)です…」


「詩乃ちゃんか……」



「あ、詩乃、咲羅……なにやってんの…?」


抱き合う(?)俺と詩乃ちゃんを見て呆然とする蘭


「詩乃ちゃんを俺にくれ!!」


「誰がやるか!!」



チッ……

ダメか

だが俺は諦めない!!

〔諦めろ〕