「なんだそれ。」



恭、ヒドイ。

楽しみにしてたのに。


「あ、忘れてたけど恭は双子だ。」


知ってるわ‼


食べ物の恨みは恐ろしいのよー。

俺の大福ぅ~

ちょっぴり意地悪な恭。
いや、超意地悪な恭。

それから試験が終わるまで大福はおあずけをくらうことになったとさ。




試験までの合宿期間。

何事もなく無事に過ぎていく。


なぜかって?




「れ~いり~。ずりーぞ‼」



入ってこようとする圭也をしめだす。
そして、かちゃりと取り付けたばかりの鍵をかけた。

部屋には鈴音と二人きりだ。



圭也がいる部屋と怜悧がいる部屋をつなぐ襖(フスマ)には、達筆な習字で書かれた紙が貼ってある。


“ここから先は勉強組の部屋”


藤原さん、ナイスアイデア。

鍵は何故か恭が買ってきた。
私に襲われると思ってる?

ま、鍵かけれるのは私達の部屋の方だけどね。

部屋については不満気なのは圭也だけだし、みんな協力的だ。


勉強会はというと光と架衣斗がずっと教えに来てくれてるせいか、このごろ調子がいい。



こうして、万全の準備の下、とうとう試験日当日を迎えたのだった。