「なぁ?
お前、あれで、スッキリできたのか?

一発ぶん殴るくらいしても良かったんじゃないのか?」


外の風景が見える
エレベーターの中、
俺とみなみは、外に身体を向け、
そのガラスに映る、みなみの姿を見ながら
声をかけた


「……う…ん…」


俯いたまま、コクリと頷く

そして、顔を上げ
ガラスに映るオレの顔に
視線を移し


「私…2人を見た時、
ホントにショックやった…

だけど…

それ以上に、
私は、亮介を本当に好きなのかな…
って感情も一緒に沸いたんだわ…

亮介と付き合っとる頃、
仕事も煮詰まって、
半分、結婚した方が…って
状態やったの


だから…」


クルリと、オレの方に向きを変え…
オレの方を見上げ


「もう、未練はないし
これで良かったと思う」



強い眼差しで、決意したように言った