「哲弥…昨日…
なんで、病院へ行ったの?」


まだ、少しだるい身体を
支えながら、上半身をゆっくりと起こした


「え?」


「私が、知らんとでも思っとる?
昨日は、検診の時間が長引いて、
1Fの待合で待っとたら…」


昨日の光景が頭をよぎる


「……哲弥と…誰かが一緒にいた…
仲…良さそうに…2Fの方に向かってった」



流れる涙を拭えず
昨日見たコトを、一気に哲弥に向かって言った


意外にも、
驚きとか、焦りとか、
そんなそ素振りが全くなく、
私のぐちゃぐちゃな顔をじっと見つめる


「…ぶっ! みなみ、お前、
そんなコト、気にしてたのか?

普段なら、
気にもしないのに…

ははははっ、でも…うん…
なんだか、オレ、
嬉しいかも…」


「なにが、嬉しい、よっ!
疾しいことがないなら、
なんで、私に言わんのよっ!」


少しも悪びれたふうもない哲弥に
だんだんと腹が立ってきた


「昨日、出てったきり、
何の連絡も寄こさんで
よく、朝帰りなんて、出来るわねっ!!
私が、どんだけ眠れんかったか、
どんだけ、心配したかっ!

哲弥なんて、

哲弥なんて、だいっきらいっ!!!」


久しぶりに興奮して
大きな声を出したから、
少し、酸欠状態になった

だから、

再び、ベッドに横になり、
蒲団を頭からかぶった