何事も無かったようにソファに座り、笑みを浮かべる先輩。
……なんだったんだろう……?
DVDをセットして、テレビの電源をつける先輩に、質問を投げてみた。
「このテレビ……大きすぎませんか?」
「……そう?普通じゃない?」
どうやら、100インチのテレビらしい……これを普通っていうなんて、先輩はやっぱり普通とズレてる……。
「そういえば……これって恋愛もの?」
「はい。純文学の実写化で、ずっと観たかったんです……!」
幼なじみのラブストーリーで、小説はシリーズ全巻読破した。
泣けたり笑ったり、とにかく今まで読んだ作品の中で、一番心が温かくなった作品。
「杏ってこういうのが好きなんだ?」
「はいっ……」
「でも確か……スプラッタサイコホラーが好きなんじゃなかったっけ……?」
「……あ」
し、しまった……。

