【完】愛は溺死レベル





理由は分からないけれど、心臓がチクって痛んだ気がした。


初めての感覚に戸惑いながら、私はあることに気づく。



あの中から……彼女を、選ぶ。

そ、それはつまり……




「今から、カップルが誕生するってこと?」

「はぁ?」

「タ、タズちゃん!私見てくるね!お付き合いの始まり方!」




そうと決まれば!


「ちょ、何言ってんのよバカ?」と軽い暴言を吐くタズちゃんに、もう一度「恋の誕生だよ!」と目を輝かせれば、呆れたように溜息を吐かれる。



そんなことも御構い無しに、私は廊下の人集りに近づいた。



恋愛未経験の私は、人様の恋を見て勉強させてもらおう!


どんなふうにお付き合いが始まるのか、不思議に思っていたところだったので、こんなチャンスに感謝しなきゃ!



小さい身長を恨みながら、必死に背伸びをして人集りの中心を見る。


み、見えないっ……。


ピョンピョンと飛び跳ねて見ても、同じだった。