【完】愛は溺死レベル



すれ違う人みんなが、わたしと先輩を物珍しそうに見ていて、中には指を指す人もちらほら。

けれど、生徒会室に近づくにつれ、人影が減り、視線も気にならなくなった。



「そこのソファ座って食べよ」



昨日も来たけど、す、凄い部屋だなぁ……。

ここの学園は、比較的オシャレな建築になっているけれど、生徒会室は別格だ。

経費の、無駄遣いじゃないかな……と、言いそうになった本音を飲み込んだ。



先輩とテーブルを挟んで向き合うように、ソファに座る。

「いただきます」と手を合わせ、お弁当に手をつけた。



「これからは、ここで二人で食べようね」

「……え?毎日、ですか?」



笑顔の先輩に、首を傾げる。



「うん、当たり前」

「わたし、友達と……」

「そっか……そうだよね、杏は友達いるもんね」



……え?