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お昼休みになると、宣言通り、先輩はやって来た。
相変わらずモテモテの先輩は、女の子に騒がれている。
凄い……アイドル並の人気……。
声をかける女の子を掻き分けて、わたしの元へ来た先輩。
「杏」
笑顔で名前を呼ばれて、重たい身体を立ち上がらせた。
「行こ」
「て、手は繋ぎませんっ……!」
「……はいはい……あー、残念」
約束していたので、大人しくついていく。
さすがに、友達と食べるので帰ってくださいとは言えないし、タズちゃんにも、先輩と食べると伝えた。
先輩と一緒にいるのが嫌なわけじゃないけれど……この、好奇の視線が、辛い……。

