【完】愛は溺死レベル



はぁ……と溜息を吐いて、タズちゃんはどこか遠くを見つめた。



「……杏ちゃんは、どうなの?」

「え?」



翔くんから飛んできた言葉に、首を傾げる。



「あの会長のこと……どう思う?」

「どう思うって……?」

「その……あの人かっこいいし、好意とか……」



好意って……好きって、こと?


わたしが、先輩を?



「な、無い無い!ありえないよ!先輩とは昨日会ったばかりだし、好きとか……わたしには良く分からない」



うん、それは、ありえないよ……!

ありえ、ない……



ど、ドキドキは、するけど……。


……って、そういえば、わたし先輩といる時、ずっとドキドキしてるような……。

どう、して?


男の人、だから?


でも、翔くんといる時は、平気なのに……


な、なんでだろう……。