【完】愛は溺死レベル



「ううん。あの後、大丈夫だった?」

「うん……先輩、悪い人ではないから……」



若干悪意はあるのかもしれないけど……確信犯そうだし……。



「横暴すぎるよあの人。何かあったら、いつでも俺に言ってね?」



心配そうに、眉の端を垂らす翔くん。



「ありがとうっ」



翔くんはほんとに良い人……心が洗われるよ……。



「あっ、そうだタズちゃん……わたし、今日お昼ご飯先輩と食べることになったの……」

「……あんたたち、ほんとうに付き合ってるの?」

「つ、付き合って……ない……はず」

「なにその曖昧な感じ」



目を細めながらわたしを見つめるタズちゃんに、ぐっと手を握って見せる。



「つ、付き合ってないし、付き合いません!」



お、脅されて無理矢理そうなってるだけで、認めて、ないもんっ……!



「ほんとに……?心配だわ……」