【完】愛は溺死レベル



手のひらが、焼けちゃいそうなほど熱かった。



ようやく教室の前までついて、やっと解放される……と、ほっと胸を撫で下ろす。



「杏、お昼休みになったら迎えに来るから」

「え?」

「お昼一緒に食べよ」

「わたし、お昼ご飯は友達と……「それじゃあね、良い子で待っててよ」



先輩は、わたしに有無を言う暇も与えず、廊下の向こうへと去っていった。

ほんと、強引……はぁ、暴君すぎます……。


朝からどっと疲れた気がして、重い足取りのまま教室へ入った。



「朝から凄い騒ぎだけど、どうなってるのこれ?」



席に座るなり、既に登校していたタズちゃんがわたしの元へ来てくれた。



「タズちゃん……おはよう……」

「なんかやつれた顔してるわよ……それより、あんたと会長がくっついたって、学園中大騒動なんだけど」



……う、ウソ……。