【完】愛は溺死レベル



視線と空気に耐えられなくなった時、わたしたちの前に、三人の女の子が立ち塞がった。



「会長っ……!」

「あの、その子は……?」

「彼女できたって、本当ですか……!?」



だ、誰か、助けてっ……。


明らかに先輩のファンだろう女の子たち。

お願いだから、変なこと言わないでください……!彼女じゃないって、ちゃんと否定……



「ああ、この子だよ、俺の彼女」



せ、先輩ーー!!

ありえない……わたし、もう学校来れない……


周りの女の子たちが、絶句してる……



「俺の大事な子だから、みんなも仲良くしてあげてね?」



わたしの手を握ったまま、笑顔でそう言った先輩は、女の子たちを避けて再び歩き出した。


もうわたしには、否定する気力も、上手い弁明の言葉も浮かばず、先輩の後をついていく以外の選択肢は残されていなかった。