「どうすればって……普通よ普通よ。『あ、良いわねこいつ』と思った奴が、同じこと考えてたらもう恋なんて始まってるんじゃない?」
タズちゃんの、有り難ーいお言葉に、うんうんと頷く。
なんだか、難しいな……。
「みんなそんな感じなのかな?」
「まあ、いろいろでしょ。……ほら、あそこなんて見てみなさいよ」
うーんと頭を傾ける私に、タズちゃんはある一点を指差しながらそう言った。
あそこ?
言われた通りに視線を移せば、廊下に何やら人集りが出来ている。
それに、良く見ると女の子ばかり。
なんだろう?
騒がしい廊下に耳を澄ませば、途切れ途切れに聞こえた女の子たちの言葉。
「皇(すめらぎ)会長!私を選んでください!」
「何言ってんのよ一年!次の彼女は私よ!」
「会長!私もお願いします〜!」
な、何ごとっ!?
よく分からない会話の内容に、頭上には幾つものハテナマークが飛び交う。

