「えっ……いいんですか……?」

「うん、俺別になんでもいいし。飲み物はどうする?」

「えっと……それじゃあ、和紅茶でお願いします」

「了解」



そう言って、先輩はさらりと、わたしの分まで注文を済ませてくれる。

優しい……な。

こういうスマートなところも、女の子にモテる部分なのかな……。

教室に迎えに来た時も、凄い女の子に騒がれてたし……改めて思うと、先輩って凄く人気なんだろうなぁ……。


どうしてそんな人が、わたしなんかと……って、やっぱり思ってしまう。


そんなことを考えていると、店員さんが飲み物を運んできてくれた。

和紅茶に口をつけると、独特の香りが広がる。


美味しい……。

先輩が頼んだのは、コーヒー……あんまり、甘いもの好きじゃないのかな?


……あっ、でも甘味処に連れてきてくれたんだから、それはないか……。