【完】愛は溺死レベル



キュンっと、胸が高鳴った。



「……何?君だれ?」



翔くんを睨みつけながら、不機嫌丸出しの先輩。

翔くんも、先輩の視線に怯まず、二人の間に険悪なムードが流れていた。



「僕は、杏ちゃんの友人です」

「へー……友人?」



先輩が、馬鹿にしたように鼻で笑った。



「俺、杏の彼氏なの。お友だちは黙っててくれない?」

「それは、同意あっての交際ですか?僕には、杏ちゃんがあなたに好意を持っているようには見えませんけど」



え、ええっと……

どうして、こんなことになってるんだっけ……?


二人の口論はヒートアップし、睨み合っている先輩と翔くん。



「そんなの、これからどうにでもするよ」



余裕たっぷりに微笑んだ先輩に対して、翔くんは悔しそうに歯を食いしばっていた。



「……っ、あなたみたいないい加減な人に、杏ちゃんは……「で?」