「ほんとに心配したんだから……!いったい何があったの?」
「う、うぅっ……」
な、なんて説明すればいいんだろう……自分でもよくわからなくて、下唇をぎゅっと噛む。
タズちゃんと翔君はそんな私を心配そうに見つめていて、私はとりあえず、簡潔に結論を伝えることにした。
「私……先輩と、付き合うことになっちゃったっ……」
その言葉の後に、少しの沈黙が流れる。
それを破ったのは……
「「は!?」」
タズちゃんと翔君の、ありえないとでも言わんばかりの大きな声だった。
「は!?あの会長と杏が!?」
「ど、どういうことなの杏ちゃん……っ!?」
……それは、私が一番聞きたいです……。
弁明の言葉を述べようと口を開いた時、私の声を遮るようにチャイムの音が鳴り響いた。