「俺の頭の中、杏のことしかないから。早く……杏も俺でいっぱいになって。俺に溺れて……」
先輩はそう言って、そっとわたしのカラダに触れてきた。
先輩は、なんにもわかってない。
わたしだってもう……とっくに先輩に、溺れてるんだ。
最初は、こんな意地悪な人、絶対好きにならないって思ってた。
強引で、悪魔みたいで、誰が好きになるもんですかって、思ってたのに……
今はもう、先輩なしじゃ、ダメなくらい。
「愛してる」
耳元で囁かれた言葉は、熱くて、甘くて……
愛の深さを、伝えてくれるような台詞。
「一生、俺に捕まっててね」
その言葉が愛しく感じてしまうわたしはもう、先輩の虜。
【END】