【完】愛は溺死レベル



結局、きっちりと教室まで送ってくれた先輩。

廊下を歩いている間、生徒からの目が痛かった……ぅ。



「それじゃーね。放課後迎えに来るから」

「……え?い、いいですよ、迎えに来ていただかなくてもっ……!」

「大人しく待っててね。バイバイ、杏」



嵐のように去っていった先輩。

その後ろ姿を見ながら、私は太刀打ちできない悔しさに下唇を噛み締めた。

うっ……なんだか、流されっぱなしだった……、私のバカっ……。

結局付き合うことになっちゃったみたいだし、放課後デートっていうのも、本気で言ってるのかな……なんにせよ、疲労感が酷い……。

心なしか覚束ない足取りで、教室に入る。



「杏!!!」



……タズちゃん?

教室に入るやいなや、心配した面立ちのタズちゃんが、私に飛びついてきた。