先輩の言葉ひとつひとつが、わたしの心臓を貫いた。 愛しさが溢れ出して、甘えるように見つめてみる。 「多分、俺がどれだけ杏を好きかわかったら……お前引くよ?」 先輩はわたしの視線に応えるようにキスをくれて、胸がきゅんっと音を鳴らした。 「杏は繊細だから、先のこととか考えて不安になるんだよね。そういうところもたまんないくらい好き。全部可愛い」 「……っ」 「俺の気持ち……ちょっとは伝わった?」 返事をする代わりに、首を縦に振る。 先輩は満足げに微笑んで、再びくちびるを近づけてくる。