【完】愛は溺死レベル



その目は真剣そのものでごくりと息を飲む。



「そうじゃ……なくて……」

「ん?どうしたの?」



優しく聞き返してくれる先輩に、自然と唇が開いていく。



「……せ、先輩が……いつ私に飽きちゃうか……わからないじゃないですかっ……」



溢れた声は、情けなく震えていた。


空いている手で、先輩の服をぎゅっと掴む。

いまにも溢れそうな涙が、視界を滲ませた。



「あー……、なに?そんなうるうるした目で見つめちゃって、俺がいなくなんの想像しただけで泣いちゃうの……?」

「……っ……」