【完】愛は溺死レベル



「結婚、とか、仕事、とか……」

「なに?」

「そんな先の話したって……わからないですよ……」



先輩が心変わりしない確信なんて、ないもん……。


信じていないわけじゃないけれど、最近わたしの頭を支配していた不安が、溢れ出してしまった。



「……それ、どういう意味で言ってんの?」



先輩の、不機嫌そうな声が、部屋に響く。



「なぁ杏。俺逃がさないって言ったよな?意味わかってる?あ、もしかして冗談とか思ってんの?大マジだから。杏は一生俺から逃げられないの」



熱い瞳で見つめてくる先輩から、目を逸らせない。