喉まで出かかった言葉を飲み込み、おとなしく先輩に抱きしめられた。 ゆっくり二人で過ごせるのは、本当に久しぶりだったから。 1月も終わりの時。 先輩は最近大学受験で忙しく、デートも控えていた。 今日からは、また毎日会えるのかなと思うと、嬉しくて頰が緩む。 でも、同時に寂しさもあった。 先輩は、もう卒業するんだ。 今みたいに、近くの距離にいることは出来ないし、大学生と高校生という壁ができる。 それが、不安で堪らなかった。 先輩はかっこいいから、きっと大学に行っても、モテるんだろうな……。