転校してしまって、もうその子の顔は思い出せないのだけれど……



どうして今思い出したんだろう?


不思議に思いながら、私は生徒会長さんに目を向ける。


すると、本当に、ほんの一瞬、


生徒会長さんが、私の方を見て、意味深な笑みを浮かべた……気がした。



ーーーっ、え?



ち、違うよっ、気のせい気のせい!


あんなかっこいい人が、私なんて見るはずない!


勘違いしちゃって、恥ずかしい。


それに、距離が離れているし、こんな大人数が揃うホール内。

向こうは私の存在なんて、気づくはずかないのに……



なんだろう、今の。


本当に、一瞬だったけれど、


何故かとても、そう、まるで……



ーーー瞳で、捕らえられてしまったような気がしたんだ。