……それなのに、わたしってば…… 「ごめんなさい、わたし……頼まれて、断れなくて……」 ばれなかったらいいやなんて思ってこの服を着た自分に、嫌気がさした。 先輩は、わたしの頰を軽くつねって、拗ねたように眉を顰めている。 「スッゲー傷ついた。俺はこんなに杏のこと大事にしてんのに」 ……わたし、先輩のこと傷つけちゃったんだな……。 申し訳なくて、視線を下げる。 「嘘。もう怒ってないから、そんな顔しないで」