【完】愛は溺死レベル



よかった……。

このままケンカして、先輩が許してくれなかったらどうしようかと思った……っ。


安心して、頰がだらしなく緩んでしまう。


……あっ、そうだ。



「先輩、自分のクラスの店番は……?」



そういえば、どうして先輩はわたしのクラスにいたんだろう……?



「ああ、早めに終わらせてきた」

「着替えてきたんですか?」



王子様の衣装じゃないし……



「着てないよ、あの衣装」

「えっ……?どうして……」



先輩の言葉に、驚いて目を見開いた。



「だって杏、嫌だったでしょ?」



……わたし?