……そんな、可愛らしいお願いだった。 そんなの……幾らだって、言うのにっ……。 「先輩、大好きっ……」 「……」 「好き……ごめん、なさいっ……」 「……。はぁ……俺も甘いよね」 ……せん、ぱい? 「あーあ、杏の可愛さに太刀打ちできない自分が嫌になる」 「な、何言って……」 「あーもう、おいで。ぎゅーってしよっか?」 いつもの優しい微笑みを浮かべ、両手を広げた先輩。 わたしはたまらず、飛び込むように抱きついた。